書評「オトナの保健室 セックスと格闘する女たち」の感想・内容紹介
お堅いイメージの強い新聞社がセックスをテーマに連載を組んだことで話題となった書籍「オトナの保健室 セックスと格闘する女たち」の内容と感想を紹介します。
また、同書に対する評判が気になる人のために口コミ・レビューもあわせて紹介♪
『オトナの保健室 セックスと格闘する女たち』の内容紹介
本書のまえがきに続き各章ごとの内容を簡潔に紹介します。
「オトナの保健室」はこんな本です。
女性の生きがたさを考えるとき、セックスは身近で重要な視点です。にもかかわらず、新聞紙上ではほとんど語られてきませんでした。
セックスレス、不倫、…、これまで腰が引けていたテーマに、真正面から向き合う紙面づくりに挑んできました。
これほどでに私たちを揺さぶるセックスって何なの?
いま一度、立ち止まって見つめ直してみませんか。(本書まえがきより)

- 第1章 セックス
- 第2章 不倫
- 第3章 女の性意識
- 第4章 セクハラ
- 第5章 「したい人」「したくない人」~日本の女のセックス事情、百年前から現代まで
1章~4章までは、読者の投稿・エピソードを中心に識者のコラムとインタービューで構成されています。
それでは、各章ごとの内容を簡潔に紹介させてい頂きます。
第1章 セックス

第1章「セックス」では、冒頭で日本家族計画協会による調査結果によると結婚しているカップルの「セックスレス」の割合が過去最高の47.2 %だったことが紹介されます。主にセックスレスをテーマに女性たちの本音が赤裸々に語られます。
第2章 不倫
第2章「不倫」では既婚者のうち不倫経験のある女性が23.9%、男性が57.3%という調査結果が冒頭で紹介され、それに続き夫を裏切った人の体験談、裏切られた人の体験談をはじめ不倫に対する読者の意見が紹介されます。
第3章 女の性意識
第3章「女の性意識」では、女性であることの性意識について幼少期や思春期のの体験との関係、アダルトビデオや雑誌による影響との関係、女性向けAVが果たす役割などについて語られます。
第4章 セクハラ
第4章ではセクハラや性暴力を訴える#MeToo運動の世界的な盛り上がりを背景にセクハラ被害の体験談や意見が紹介されています。
第5章 「したい人」「したくない人」~日本の女のセックス事情、百年前から現代まで
第5章では、エッセイストの酒井順子さんと小説家の村山由佳さんによる日本人の性意識・セックス文化をテーマにした対談が紹介されています。
「オトナの保健室 セックスと格闘する女たち」を読んだ感想・評価
「オトナの保健室」を読んだ感想と評価を紹介します。
「オトナの保健室」の感想
夫婦間のセックスのありかたは10人10色。
夫がEDになってしたくても出来ない人、したくない人、義務感からしていいる人等々、セックスレスのカタチにもいろいろあるというを実感させられます。
セックスレスになった理由で「家族だから」という理由が多いのはなんとなく理解できますね…。
上野千鶴子さんはじめ、宋美玄さん、こだまさん、はあちゅうさん、伊藤詩織さん、紗倉まなさん、池下育子さん等そうそうたメンバーがコラムを寄稿しています。
一番興味深かったのは千人以上の不倫経験者を取材したフリーライター亀山早苗による「情熱は婚外恋愛で」というコラムの以下の一説。
これまで千人を超す不倫体験の取材をしてきましたが、最も多かったのは、40代~50代の主婦の不倫。更年期を迎え、女としての焦りや孤独を募らせる。夫は家族であり、男でなくなる。結婚という形は崩さないまま、情熱婚外恋愛で満たすんです。
説得力のある分析でした。
「オトナの保健室 」の評価は?
★★★☆☆ 星3つ
女性同士でもあまり話題にしにくい他人のセックス事情が赤裸々に語られているという点では勉強になる部分もありました。
ただ、その反面、読者の体験談やエピソード、識者によるコラムが脈絡なく興味本位で並べられているという印象も受けました。穿った見方をすれば、週刊誌でありがちな特集を新聞紙上でやっただけとの見方もできます。
ということで星3つという評価になりました。
「オトナの保健室 」の評判・レビュー紹介
お腹いっぱい!
amazonレビュー
ライトなタイトルに反して、読み応えがすごい。
一口に「セックスレス」と言っても、したくて悩む人、したくなくて悩む人の二つの立場から、言い分がわかるのが面白い、、、まずは当事者同士がお互いの気持ちを言語化することが大事だということだと思った。
読者投稿と識者のコメントで構成されているので読みやすい。でもすごい内容が濃い。そしてそれに負けない田房永子さんの漫画の熱量がすごい(笑)。
セックスレスに悩む人、夫の性行為の強要に悩む人、不倫にはまっている人、過去の性被害のトラウマを抱える人……それぞれ切実だ。副題「セックスと格闘する女たち」が示すように、日本の女性の性の現在地を描いている。
amazonレビュー
女は男にリードされて性交渉に応じ、男によって性の悦びを開発されるものだといった、男性にとって都合の良い固定観念へのNOが噴出し始めている。こうした女性の声を男性がどう受け止め切れるのかが課題だろう。